Redmineのおすすめ運用(プロジェクトの分け方編)

本記事では、Redmineのおすすめ運用として、プロジェクトの分け方についてご紹介します。

Redmineの「プロジェクト」とは

Redmineの「プロジェクト」は、情報を管理するための最も大きな単位です。プロジェクトごとにメンバーを追加し、タスクや要件を管理します。Redmine上でのプロジェクトは必ずしも一般的に言うプロジェクトと同じ単位になるわけではありません。基本的には、携わるメンバーが異なるときにプロジェクトを分けます

本記事では、プロジェクトの切り分け方を検討する上で認識しておくべきポイントと、プロジェクトの分け方の例をご紹介します。

プロジェクトの分け方を検討する上で認識しておくべきポイント

ポイント①プロジェクトの親子関係を設定できる

プロジェクト同士を親子関係に設定することができます。子階層に該当するプロジェクトのことを、Redmineでは「サブプロジェクト」と呼びます。規模の大きなプロジェクトでは、サブシステム単位で開発メンバーが異なることがあります。そういった場合は、親プロジェクトの下にサブシステムA、サブシステムBというようにサブプロジェクトを作成して、それぞれに関わるメンバーを追加します。

Redmineのプロジェクトの分け方_サブプロジェクト

親子関係を設定すると、下の図のように親プロジェクトのチケット一覧画面やガントチャート等で、サブプロジェクトのチケットの情報も一括で確認できます。(「管理」>「設定」>「チケットトラッキング」で「サブプロジェクトのチケットをメインプロジェクトに表示する」が有効化されている必要があります。)

※画面ショットはRedmineの有償プラグインLychee Redmineのガントチャートです。

また、親プロジェクトに表示されるチケットの枚数や作業時間は、サブプロジェクトを含めた値になるため、親プロジェクト上でサブプロジェクトの情報を集計できます。

ポイント②メンバーの権限をプロジェクトごとに選択できる

Redmineでは、プロジェクトにメンバーを追加する際に都度「ロール」を選択します。そのため、下の図のように水口さんは「経費精算システム」プロジェクトでは、「管理者」ロールで追加して、「ECサイト構築」プロジェクトでは、「開発者」ロールで追加する、というように、メンバーの権限をプロジェクトごとに選択できます。

Redmineのプロジェクトの分け方_ロールはプロジェクトごとに選択可能

ポイント③プロジェクトの公開/非公開を設定できる

各プロジェクトの「設定」画面でプロジェクトの公開/非公開を設定できます。

  • 公開プロジェクト
    • 利用しているRedmineに登録されているユーザー全員が、プロジェクトの情報を閲覧できます
  • 非公開プロジェクト
    • プロジェクトに追加されたメンバーのみが、プロジェクトの情報を閲覧できます

下の図のプロジェクトは、「公開」にチェックが入っているため「公開プロジェクト」に該当します。

Redmineのプロジェクトの分け方_公開・非公開

プロジェクトを「非公開」に設定すると、メンバー以外は情報を閲覧できないため、メンバー以外に機密情報が漏れないようにすることができます。

プロジェクトの分け方の例

案件ごとにプロジェクトを作成し、会社ごとにサブプロジェクトを作成する

Redmineのプロジェクトの切り分け方

複数の会社が携わる大規模の案件を管理する場合は、案件ごとに親プロジェクトを作成し、パートナー等の協力会社ごとにサブプロジェクトを作成します。サブプロジェクトには、社外のパートナーのメンバーと自社の管理者に当たる一部のメンバーを追加します。各プロジェクトを「非公開」に設定することで、パートナーのメンバーは自分の所属するプロジェクト以外の情報を閲覧できなくなり、親プロジェクトや他のサブプロジェクトに含まれる機密情報の閲覧を制限できます。

組織ごとにプロジェクトを作成し、案件ごとにサブプロジェクトを作成する

Redmineのプロジェクトの切り分け方

組織の中で様々な案件を管理している場合は、組織ごとに親プロジェクトを作成し、案件ごとにサブプロジェクトを作成します。親プロジェクトには組織のメンバーを追加し、サブプロジェクトには案件に携わるメンバーを追加します。ポイント②で記載した通り、メンバーの権限はプロジェクトごとに変更できるため、A案件には管理者ロールで参加させて、B案件には開発者ロールで参加させるというように案件での役割に合わせて適切なロールを適用します。メンバー以外に情報を見られても問題ない場合は、公開プロジェクトに設定すると、類似案件の情報を閲覧して参考にできます。

組織ごとに階層構造のプロジェクトを作成する

Redmineのプロジェクトの分け方

チーム単位でのタスク管理や課題管理等に利用する場合は、部>課>チームのように組織単位で切り分けます。部長や課長等は必要に応じて統括している部門のチームにも所属し、全体を見通して、進捗や工数の消化状況に問題ないかを確認します。チームで蓄積したナレッジは課のプロジェクトや部のプロジェクトのWiki等にも記載することで情報の共有ができます。

まとめ

Redmineのプロジェクトの分け方について解説しました。ぜひ参考にしてみてください。

テクマトリックスでは、Redmineについて基礎から学べるセミナーの実施や資料の提供を行っています。ぜひチェックしてみてください。