Windows環境へのRedmineのインストール(PostgreSQL版)

Redmineのインストール手順_トップ_PostgreSQL版

本記事では、Windows環境へのRedmineのインストール方法についてご紹介します。データベースとしてPostgreSQLを採用した内容になっています。MySQL版については以下の記事を参照ください。

       

    以前まではWindows環境へのRedmineのインストールと言えばBitnamiが主流でした。しかし、BitnamiRedmine Windowsインストーラーの提供を終了してしまったため、簡易的なインストールができなくなりました。そのため、今回はWindows環境へのRedmineインストール手順をなるべく簡潔にまとめました。ご参考になれば幸いです。

    なお、本記事で利用した環境やインストーラーの各バージョンは以下の通りです。

    • Windows 2022 Server
    • Redmine 5.0.5
    • Ruby 3.1.4-1
    • PostgreSQL 16.1-1

    前述の通り、別の記事にRedmineのデータベースにMySQLを採用した手順がありますが、複数の既知の問題が存在するため、RedmineのデータベースとしてはPostgreSQLの採用を推奨いたします。

    必要なモジュールのインストール

    Rubyのインストール

    以下のリンクから、インストーラーをダウンロードし、インストーラーに従いインストールします。Redmine5.0を利用する場合は、Ruby3.1以下をご利用ください。

    https://rubyinstaller.org/downloads

    例:Ruby+Devkit X.X.X-X (x64)

    インストール中に表示される以下のオプションについては双方にチェックを入れるようにしてください。

    Redmineのインストール手順_Rubyのインストール

    PostgreSQLのインストール

    以下のリンクからPostgreSQLをダウンロードし、インストーラーに従いインストールします。

    https://www.enterprisedb.com/downloads/postgres-postgresql-downloads

    インストール中に表示される以下のオプションについてはデフォルトのままにしておきます。

    Redmineのインストール手順_PostgreSQLのインストール1

    スーパーユーザーのパスワードを設定します。後ほどpsqlシェルを起動する際にここで設定したパスワードの入力を求められますので忘れないようにしてください。

    Redmineのインストール手順_PostgreSQLのインストール2

    インストールの最後にStack Builderの起動確認が表示されます。起動の必要はありませんのでチェックを外してFinishボタンを押します。

    Redmineのインストール手順_PostgreSQLのインストール3

    Redmineの入手/展開

    以下のリンクからRedmineをダウンロードし、任意のパスに展開します。

    https://www.redmine.org/projects/redmine/wiki/Download

    例:C:\Redmine

    以降このパスについては <Redmineインストールパス> と記載します。

    Redmineのインストールおよび設定

    1. DBとDBユーザー作成

    Windowsのアプリケーションで「SQL Shell(psql)」を起動します。その際、パスワードを確認されるのでPostgreSQLをインストール時に設定したパスワードを入力します。

    ログイン後は、以下のコマンドを実行します。

    CREATE ROLE redmine LOGIN ENCRYPTED PASSWORD 'password' NOINHERIT VALID UNTIL 'infinity';
    CREATE DATABASE redmine WITH ENCODING='UTF8' OWNER=redmine;

    ※'password'の箇所には任意のパスワードを設定してください。

    2. Redmineの設定ファイルにデータベース情報を追記

    <Redmineインストールパス>/config/database.example.ymlをコピーして、database.ymlを作成します。手順1で設定したパスワードに合わせて修正します。

    以下は修正例です。

    production:
      adapter: postgresql
      database: redmine
      host: localhost
      username: redmine
      password: "password"
      encoding: utf8

    3. Bundlerのインストール

    コマンドプロンプトを起動し<Redmineインストールパス>へ移動します。以下のコマンドを実行します。

    gem install bundler

    以降の手順でもコマンドプロンプトを利用しますので、コマンド実行後も起動したままにしてください。

    4. thinの設定

    <Redmineインストールパス>に「Gemfile.local」ファイルを作成し以下を記載します。

    gem "thin"
    gem "thin_service"

    5. pgの設定

    <Redmineインストールパス>に「.bundle」ディレクトリを作成し、その中に「config」ファイルを作成し以下を記載します。

    BUNDLE_PATH: "vendor/bundle"
    BUNDLE_BUILD__PG: "--with-pg-config='C:\Program Files\PostgreSQL\16\bin\pg_config.exe'"
    BUNDLE_WITHOUT: "development:test"
    BUNDLE_BUILD__PGのパスは実際にPostgreSQLがインストールされたbinパスに存在するpg_config.exeを指定してください。

    6. bundle installの実行

    コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行します。

    bundle install

    7. 秘密鍵の生成

    コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行します。

    set RUBY_DLL_PATH=C:\Program Files\PostgreSQL\16\bin
    bundle exec rake generate_secret_token

    RUBY_DLL_PATHにはPostgreSQLのbinへのパスを指定してください。

    8. データベースのマイグレーション

    コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行します。

    set RAILS_ENV=production
    bundle exec rake db:migrate

    Redmineの起動確認

    Redmineの起動

    以下のコマンドを実行し、Redmineを起動します。

    bundle exec thin start -e production -p 3000 -a 0.0.0.0 -c "<Redmineインストールパス>"

    その後、RedmineのURLにアクセスし起動していることを確認ください。

    例:http://localhost:3000

    Redmineのインストール手順_Redmineの起動

    Windowsのサービスとして登録する

    RedmineをWindowsのサービスとして登録する場合、コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行します。

    thin_service install -N "Redmine" -c "<Redmineインストールパス>" -p 3000 -e production

    Windowsの「サービス管理ツール」を起動し、Redmineがサービスとして登録されていることを確認します。PC起動時にサービスが自動で起動するように「スタートアップの種類」を自動に変更ください。

    Redmineのインストール手順_自動起動の設定

    まとめ

    RedmineをWindows環境へインストールする方法についてご紹介しました。サーバーPCとしてWindows OSしか利用できないケースもあると思いますので、今回の記事が参考になれば幸いです。

    なお、テクマトリックスでは、環境構築やメンテナンスをせずにいつでも利用できるRedmineのクラウドサービスを提供しています。チケット数無制限、100ユーザーまで月額7000円でご利用いただけます30日間の無料トライアルもありますので、ぜひご検討ください!

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