Redmineのチケットの開始日・期日が変更できないときの対処法

本記事ではRedmineのチケットの開始日・期日が変更できないときの対処法について解説します。

チケットの編集画面に開始日・期日が表示されない

下の図のように、チケットの編集画面に開始日・期日が表示されないため、開始日・期日の変更ができない場合です。

この場合は、2つの原因が考えられます。

親チケットの開始日・期日を変更しようとしている

Redmineのデフォルトの設定では、親チケットの開始日・期日は「子チケットの値から算出」されるようになっているため、親チケットの期日を変更することはできません。親チケットの開始日・期日には、すべての子チケットの中で、最も早い開始日と最も遅い期日が自動で設定されます。そのため、親チケットの編集画面には開始日と期日は表示されません。

親チケットの開始日・期日に子チケットから独立した日付を設定したい場合は、「管理」>「設定」>「チケットトラッキング」画面で「親チケットの値の算出方法」の「開始日/期日」を「子チケットから独立」に設定します。この設定について詳しくはこちらをご参照ください。

「開始日」・「期日」が読み取り専用に設定されている

Redmineでは「管理」>「ワークフロー」の「フィールドに対する権限」より、ロールとトラッカーの組み合わせごとに各フィールドを「必須」または「読み取り専用」に設定できます。ユーザーが適用されているロールで「期日」が「読み取り専用」に設定されている場合、チケットの編集画面には「期日」が表示されず、編集することはできません。

例えば下の図では、「開発者」ロールのユーザーが「サポート」トラッカーに対して、すべてのステータスで期日が「読み取り専用」に設定されています。

Redmineのワークフロー画面

この場合、開発者ロールでプロジェクトに登録されているユーザーには、トラッカーがサポートのチケットの編集画面を開いても開始日・期日は表示されません。

開始日を変更して「確認」をクリックするとエラーが発生する

変更を行うと下の図のように「開始日 をyyyy/mm/ddより前にすることはできません。先行するチケットがあります」のエラーが発生するケースです。

Redmineのチケット一覧画面

この場合、開始日を先行チケットの期日と同日か期日より前に設定していることが原因です。先行チケットがある場合、後続のチケットの開始日は、先行のチケットの期日の翌稼働日以降にしか設定できません。後続のチケットの開始日を変更したい場合は、先行チケットのスケジュールを見直すか、先行後続関係の関連付けを解除してください。

先行後続関係に関する補足事項

先行後続関係は、前のチケットが終わらないと次のチケットが始められない場合に設定する関連付けです。関連付けを行うと、ガントチャート上では青色の矢印が表示されます。先行チケットの開始日・期日の変化に応じて後続チケットの開始日・期日も自動で更新されるため、スケジュールの更新の手間を省くことができます。下の図の例では、先行チケットの開始日を6/5、期日を6/6に変更した結果、後続チケットの開始日が6/9、期日が6/10に自動で更新されています。

変更した期日とは別の日付が設定される

LycheeCCPMがインストールされている環境で、チケットの期日を変更したのに別の日付が設定される場合、期日の自動計算機能が働いていることが考えられます。

プロジェクトの設定で「LycheeCCPM」が有効化されていると、「1日当たりの換算時間」(「管理」>「設定」>「チケットトラッキング」画面で設定。デフォルトは8時間。)と「残工数(Lychee)」(新規ステータスで予定工数の値を自動でセット)に合わせて、チケットの期日が自動計算されます。自動計算機能が働くと、手動で設定した期日は自動で計算された期日で上書きされるため、期日を任意の日付にすることはできません。

例えば、「1日当たりの換算時間」が8時間に設定されている状態で、下の図のようにチケットの開始日を6/2、期日を6/5、予定工数を8時間と設定します。

Redmineのチケットの編集画面

この状態でチケットを編集すると、予定工数の8時間が残工数(Lychee)に自動でセットされます。残工数(Lychee)が8時間のタスクは1日で終わると計算され、下の図のように期日が6/2に上書きされます。

Redmineのチケットの詳細画面

期日の自動計算機能を働かせたくない場合は、以下のどちらかの方法で対処できます。

  • CCPMの利用予定がない場合は、プロジェクトの「設定」タブより「LycheeCCPM」を無効にする

Lychee Redmineのプロジェクトの設定画面

  • CCPMを利用したい場合は、「管理」>「トラッカー」より、該当のトラッカーを選択し、「標準フィールド」の「残工数(Lychee)」のチェックを外す

Redmineのトラッカーの設定画面

残工数(Lychee)に関する補足事項

LycheeCCPM ver.1.0.25以下では、「残工数(Lychee)」は「残工数」と表示されます。Redmine6.0よりRedmineの標準機能として「残工数」のフィールドが追加されたため、LycheeCCPMの「残工数」は「残工数(Lychee)」の表記に変更されました。

Lychee Redmine無料トライアル